【第1話 : Road】

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場が、騒然となった。 たった、それだけ? 今まで訓練して体を鍛えた意味は? 錯乱が思考を襲う。 皆から疑問が噴出していた。 (兵#`Д´)「静かにしろ!」 兵士が恫喝して、静まり返る円形。 空気まで、震えているように思えた。 (兵`Д´)「では、試験を開始する」 台の前に立った10人の緊張は、更に深まったようだった。 誰も、アルファベットに触れようとしない。 アルファベットを持つくらい、誰でもできる。 そのはずだ。 なのに、それだけで合格とは、一体どういうことだ。 わけが分からず、駆り立てられる恐怖心。 それが、10人の腕を固めていた。 (兵#`Д´)「早くしろ」 先程の恫喝に比べれば、はるかに静かな声。 しかし、込められた苛立ちは、誰しもが感じただろう。 その声に突き動かされるかのように、慌ててアルファベットを握る受験者たち。 一番右端の気弱そうな男が、アルファベットを、持ち上げた。 陽光を照り返すAの刃。 布に包まれた柄をしっかり握り締めた男が、安心と戸惑いを同時に表現した。
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