出会い

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「……菩薩の野郎。 ぶっ殺す」 一応、言っておくが…。 これでも、俺は神様だ。 自分で言うのも変だが、かなり偉い?神様だ。 まぁ、神様と言っても忌み嫌われてるが…。 って、そんな悠長なことは言ってられない。 俺は今非常にマズイ状態だ。 菩薩の野郎。 なんてヤツの所に飛ばしやがった。 何も説明もなしに飛ばされた矢先。 金髪、タレ目の野郎に拳銃を突き付けられている。 それも一本でも動いたら殺すとでも言う様な鋭い瞳を向けて …なんだろうな。 こいつの眼(め)を見てると不思議な感じがする。 人間のくせに神をも魅了するか…。 と、言っても俺は堕ちた神だけどな。 何より、どこかで会った様な気がする。 懐かしいような…。 生憎、俺の知り合いに出会い頭いきなり拳銃を向けてくるヤツは居ない為、知り合いにではないだろう。 なら、なんだ? この得体の知れない感覚。 初対面のはずなのに…。 「…貴様、何者だ?」 視線だけで人を殺せそうな目の前の男に俺は内心面白いと思った。 「おい…。聞いてるのか?」 「…あぁ、お前、名前は?」 「………」 何、固まってやがる。 そして、なんで確実に殺すという目で見てる。 「…一応、言っておくが、俺を殺したいなら、全力で来いよ。俺は加減する気がないからな。」 そう言った瞬間、あからさま不機嫌な表情を浮かべる。 金髪美人に俺は分かりやすい奴と内心で笑った。 「…随分と自信があるんだな」 「?…あぁ、一応これでも、神だしな…」 「神だと?」 疑ってるのか元々眉間に皴が寄っていたのがもっと深くなっている。 せっかくの綺麗な顔が台なしだぞ? 「……一応。なんなら撃つか?」 俺は人差し指でトントンと、額の真ん中を軽く叩いた。 それを見た目の前の金髪美人さんは何がお気に召さなかったのか俺の言葉に更に機嫌が悪くなった。 「…その神とやらが何故わざわざ此処に居る。」 「…お前達の旅に同行する(半端強引に飛ばされたんだけどな…。)」 「ふざけるな。お前みたいな女なんぞ邪魔なだけだ。」 ……おい。 今、このタレ目。女って言ったか? 「…女って俺のことか?」 「他に誰がいる?」 俺はその瞬間、タレ目の背後に回り、タレ目の頭を鷲掴みし、そのまま床に押し倒した。
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