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「…放し…やがれ…」
「…お前、なかなかいい顔すんな?女に後ろを捕られ尚且つ、こんな風にされる気分はどうだ?美人さん」
俺はタレ目の耳元で囁いた。
次の瞬間…。
ガウンッ…。
俺の右頬に一本の細い線が入った。
「…いい度胸だな。
仮にも神である。
俺を撃つなんてよ」
「ふん。
自業自得だろ」
目の前のタレ目はそう言うと拳銃を再び構えた。
俺は自分の頬から流れる血を指で拭い舐めた。
何百年ぶりだ?
油断してたとしても傷を負ったのは…。
しかも、相手は人間だ。
性格は色々と歪んでるが…。
「…ますます気に入った。」
「?」
意味が分からないという表情を浮かべるタレ目を見て笑った。
そして、距離を縮めた。
今度は真っ正面から…。
「ちっ!」
「……よく見てる。だが……」
タレ目の懐に下から入り込み拳銃を持ってる手首を掴み
拳銃を叩き落とそうとした瞬間視界に入った足に俺は素早く後ろに退いた。
「……足癖悪いな」
「うるせぇよ…。」
「…そこまでだ。」
「!!?」
突然、目の前に現れた人物に驚くタレ目。
俺はというと驚くことなくその人物を睨みつけた。
そもそも俺がこうなったのはコイツのせいだし…。
「…よぉ、仲良くやってるか?」
「これが仲良くやってる様に見えるなら、あんたの目はおかしいってことだ。」
「相変わらず、口の聞き…」
「…誰だ?答えろ」
菩薩と俺の話を遮り、俺の時同様拳銃を向けるタレ目に俺は感心を通り越し、呆れた。
そして、おそらく菩薩はタレ目の性格を知っててわざと煽って遊んでる。
俺はとりあえず、ここは黙って傍観することにした。
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