不死者は冷ややかに笑う

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「武士?」 「だれがもののふと言った馬鹿が。『不死』だ『不死』」  もちろん解っていた。つまり僕はボケに回った。 「不死って事は死なないって事だよな。その……『アリス』」 「それ以外にどの不死があるというんだろうな」 「……かつお」 「ぶしだ」 「にぎり」 「こぶしだ」 「しんごう」 「むしだ。お前は馬鹿か」 「お前じゃない。僕はミカゲだよ。御影石の御影だ。それにしたって不死ってどういう冗談だよ」 「冗談も何もないさ御影。御影はもう死なない。歳もとらないのさ永遠に。夢だろう人間の」  アリスはシニカルに笑った。  たしかに不老不死は人間の夢だろう。僕にとっては夢は夢でも悪夢だ。 「だから冗談はやめろって」  怒鳴りつけるよう僕が言うとすかさずアリスは僕の右腕を切りつけた。  刃渡り十五センチほどのナイフは僕の肌に吸い込まれると、えぐるように傷跡を付けた
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