不死者は不死を語る

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「この状況を四行百二十字以内の文書で説明してもらおうか」  僕は今、日本人離れした美少女とこたつを挟んで向かい合っている。『和洋折衷』という言葉はあるが、これは明らかに異様な光景だった。 「お前が私によって不死にされてるからさ。それが私の『制約』だ。零一お前よもや、『ただ不死になった』などと馬鹿な事思っていないだろうな?」 「馬鹿を言え、僕だってそこまで馬鹿なわけやないさ。不死なんておっかなびっくりな物にただでなれるなら恐らく僕以外の誰も困らない」  そう僕は馬鹿だった。不死にされたことの弊害は死ねないことだとばかり思っていた。 「なるほど、なるほど。だがお前の頭透けて見えるぞ?」 「何本当か?」 「考えが透けてると言ったのだ、この馬鹿者が。頭が禿げてるなどと言った覚えはないぞ零一」
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