不死者は学び舎の戸を叩く―起

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 「お前は不死になった」、そう言われた次の日も平和だった。うんざりするほどに平和だ。  馬鹿げてる非日常を置き去りにするほど日常って奴は早い。怠惰は刺激を飲み込んでしまう物らしい  空はいつもより高くて、寒さが頬をつんと刺す。  僕がうんざりしている日常そのものだった。  そう、僕の隣りの席にアリスが居ることを除いては。 「てめぇら静かにしねぇとぶっ殺すぞ●●●共が。今日からてめぇらみてぇなゴミ溜に新たなメンバーが加わる。霧切アリスだ。仲良くしてやってくれよ。HRは以上」  なんて言って担任が数十秒で教室を出て行ったのが、丁度時三時間強前の話だ。
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