不死者は冷ややかに笑う

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 ****数時間前**** 「死にたい……」 「そんなに死にたいんなら首くくるか、密室でバルサンでも焚いたら?」 「それじゃ苦しいだろう。委員長」 「死にたいけど苦しいのは嫌なのね」  彼女は魚住香織。  彼女以外の誰もが認める委員長キャラだ。そして現に僕が所属する図書委員の委員長でもある。    本人は否定しているが潔癖症で常に薄い手袋をはめている。 「自分で殺すのも、他人から殺されるのもごめんだよ」 「あなた意外とめんどくさいわね。やる気がないなら帰ってくれないかしら」  直球だった。お茶で濁すこともなく僕の胸へと一直線に容赦なく突き刺さった。
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