不死者は学び舎の戸を叩く―転

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「ご理解いただけたようで何よりだ。私としてはお前を充電器扱いしても一向に構わないんだがな、物は相談だ。代替案を提示してやる」 「全くお前が不死じゃなきゃ殺してるぜ僕は」  まあ言っても実際になれば解らない。正直言って人死には嫌いだ。  自分が死ぬのを見るのも含めて。博愛主義とは違う。絶対的に「生」と「死」を明確に分かつ瞬間を僕は嫌悪する。 「怖い怖い。まあ代替え案だが、ここで昨日言った私と異なる『化け物』の存在だ。」 「そいつらを食えば『想い』に関しての問題は先延ばしできるだろうさ。そうなれば零一、お前は用済みとも言える」  アリスの制服のスカートが髪が風になびく。風は僕側になびいているようだった。久々の良い話。 「用済みってのは心外だけれど、それでお役御免願えるならこちらとしては万々歳だな。いいやむしろ――ハッピーってやつだな」
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