不死者は学び舎の戸を叩く―転

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「ちなみに私は鮮魚は食えないな」 「お前の食の好みなんて僕は聞いてない!」 「……ってあれ、今思ったんだけどさ。お前の類の物は単体じゃ存在しないわけだろ? じゃあ何でお前はここに『居る』んだ?」  存在しないというなら、アリスも含めて普段から視認されてるのはおかしいはずじゃないのだろうか? 「私は特別なのさ。私が既に現象だからな」  つまり不死の身体という現象という事だろうか。全体的に未知が満ちすぎていてオーバーフロー状態だ。 「まあ解った。善は急げだ放課後から――」 「食堂に居ないと思ったらここに居たのかゼロイチぃぃ!」  怒声と共に凄まじい勢いで屋上のドアを蹴破って登場したのは冬月伊吹――僕の幼なじみだった。
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