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怒声と共に凄まじい勢いで屋上のドアを蹴破って登場したのは冬月伊吹――僕の幼なじみだった。
前述したかとも思うけど、目の前の彼女は魚住香織――件の委員長が「あのF組のなんだっけ?」と称した人物(いや称したとは程遠いが)だ。
F組のナンダッケさん。もとい伊吹は、昨日のやりとりが指すように僕にとっては余りいい存在では無い。
むしろある点において害悪ですらある。
強きをくじき、弱きもくじく。喧嘩上等。百戦錬磨。天上天下唯我独尊。噂では、歩けるようになって間もない頃。右手で天を指し、左手で地を指したとか。
何とも恐ろしい話だが、そんな噂が立つほど生粋のガキ大将キャラだ。
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