不死身の国のアリス

不死者は学び舎の戸を叩く―転

　女子に並ぶものなし。男児に並ぶ者こそ居れど、先達者はなし。

　高校で寮に入ってしまえば縁こそ切れなくとも、毎日有り余るエネルギーのはけ口から解放されると踏んでいたのだ。

　それだけに入学式で顔を合わせた時にはあごが外れんばかりに驚いた。

「こんなとこまで追いかけてきて、そんなに僕が憎いのか息吹……僕が何かをしたのか？　言ってくれれば即死以外の事での償いなら、善処すると誓おうとも。さあ、さあ、さあ」

「ああ憎いね。強いて言うならゼロイチ。お前の鈍感さが私は憎い。非常に憎い上、許し難い。なんで俺がこんなとこまで選んで入学したか解らないのかよ。幼馴染として悲しい。そんなんじゃむくわれない……」

　伊吹は声をくぐもらせながらに言った。紛れもなく僕のせいなのだろう。