不死者は学び舎の戸を叩く―転

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 伊吹は体の弱さは寛容するが、心の弱さだけは許さない。そういう性格だと知っているから無理に止めない。  小さい頃から「そんなんだから」と何度言われた事か。 「おっ女の子だなんて……調子良いこと言いやがって。……今日は見逃してやる。寮長に遅くなるって言っといてくれるか?」 「女子寮まで行けっていうのかよ」   「隣じゃん」 「僕が女子寮に行く事を問題視してるんだよ」 「不服か?」  閉口、そして三拍。 「いいえ、何も」  せっかく直してもらった機嫌を損なわれても困るので、素直に従う。もうそれは忠実に。
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