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「柳、休みじゃなかったのか」
「うぃっす御影。うっかり寝坊した」
「今五時限目なんだけど」
時刻は一時二十六分。寝坊と言うには、いささか問題があるような気がしてならない。否、問題だらけだ。
「人間いつでも余裕を持たないと。で、どったの」
「余裕持ちすぎだ。伊吹がどこ行ったか聞いたんだけど、こいつ答えなくてさ。ほんとなんで生きてるんだろうな、こいつ。ははは」
「おいおい道を尋ねられたら、親切にしなさいって母ちゃんに習わなかったか長谷部よー」
柳が跳ねながら長谷部の頬を叩く。
長谷部は無愛想な顔で頬を殴打しているのを黙視していたかと思うと、素早く柳の後ろに回った。
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