不死者は学び舎の戸を叩く―開

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「はいはい柳、高い高ーい」 「下ろしやがれ長谷部ー。お前殺すぞー」  身長差がまるで親子というか……なんというか軽くあしらわれている。 「柳はちっこくて可愛いなー(棒読み)」 「長谷部覚えとけー」 「もう忘れた」  柳は長谷部にかなわない。伊吹は柳にかなわない。僕は伊吹にかなわない。長谷部は僕にかなわない。  立派な四すくみだ。 「あっ御影ちなみに、ふーちゃんなら校門で三年のガラ悪そうな先輩と話してたってC組の子が言ってた」  柳は未だに持ち上げられたまま、じたばたと足を空中でバタ足しながら言った。本当に小さいなこいつ。 「なるほど平常業務って感じか。柳サンキュー。お前耳は高いよなー背は低いのにさー。不思議だなー(棒読み)」
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