不死者は学び舎の戸を叩く―展

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「何がお約束なんだ……なぁゼロイチくぅん? 私は校舎の案内はお願いしたが……早速、毒牙にかけて街まで案内してくれなんて頼んだ覚えは無いんだがねぇ? 聞いてるのかなぁ……御影零一!」  びくりと肩がすくむ。僕、御影零一は現在ファーストフード店にて折檻中である。  「どうしてこうなった?」と聞かれれば、「伊吹の脚力」と僕は迷いなく答える。  アリスの手を掴んで僕が背を向け走り出すまで三秒。交差点の信号のランプが青になるまで十二秒前後。  息吹が走り出すまでの時間零コンマ五秒以内。アリスを引っ張って走る僕、百メートル二十秒強。
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