不死者は学び舎の戸を叩く―展

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 そもそもだ。この行動に意味が有ったか疑問だ。この街からは離れられないし、学校には登校しなくては……つまり逃げた所で、後で殺される。 「すいませんでしたーっ!」  そう小細工は無用である。伊吹の機嫌には正攻法しか通用しない。  言い訳も通用しない。  そもそも怒ったら人の話は何も聞かない奴なのだ。こいつはそういう奴だ。  ファーストフード店にて僕は手付き膝付き――恥じらいもなく僕は「土下座」した。  息吹はと言えば手のひらで僕の頭を掴んで力を入れる。ぎりぎりと締め付けられてとても痛い。  たしか握力も伊吹は僕より上なのだ。そして痛みより何よりこの光景が他人からどう見えるかだ。  明日から街で指さされるような事だけは勘弁願いたい。
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