不死者は冷ややかに笑う

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「帰るかな……家に」  大通りの広場を歩きながらため息をついた。  ひどく重たい気分になった。やはり感傷には浸るものじゃない。 「おいそこのお前」 「……あー」  突然の声に僕は振り向いた。というか振り向かざるを得なかった。 「おいそこのお前、聞いてるのか」 「オイソコノオマエさーん。知り合いが呼んでますよー」 「ちがうお前だ」  彼女は僕を指を差して言った。僕は横に半歩ずれる。彼女の指が追いかける。  まあ解っていたのだけど。だってこの広場……僕と彼女しか居ないんだから。 「ソコノオマエさんって変わった名前ですよね」 「お前ふざけてるだろ。死ぬか?」  初対面で「死ぬか?」と尋ねられたのは初めてだった。  いや訂正しよう。街の不良に「死にてぇのかテメェ!?」と尋ねられた事があった。  とにかくこの目の前にいるような金髪美少女に言われるのは初めてだった。 「いいえそんな願ったり叶った……」
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