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「女王様ぁ~~っ!!」
「まぁ、アリス!?」
静けさに包まれた城の裏庭
一人花の手入れをしていた女王の元へ
アリスが嬉しそうに駆け寄って来た
「どうしたの?突然…ようやく首を狩らせてくれる気になったのかしら?
でもごめんなさいね、今鎌は城の中に…」
「あっあのね、女王様にこれ着てみてほしいの!」
笑顔でそう言いながら、何か大きな箱を差し出すアリス
女王は一度アリスと箱を見比べた後、それをそっと受け取った
「これ、私にくれるの?」
「うん!女王様に似合いそうなやつ、頑張って選んでみたつもりなんだけど…」
「まぁ、アリスが!?あぁ、私はなんて幸せ者なのかしら…!
早速着てみるわね。アリス、こちらへいらっしゃい」
「うんっ!!」
箱を大事そうに抱え、城の中へと入っていく女王
その後をアリスは、大人しく着いて行った
入り口に転がっていた筈の首無し死体の山は
恐らくビルかウミガメモドキが片付けたのだろう
綺麗さっぱり無くなっていた
それでもやはり血の跡だけは、完全に消す事が出来なかったようだが…
「アリスは、此処で少し待っていてちょうだいね」
二階へ上がり、沢山あるうちの一部屋に通される
そこには、白いテーブルクロスが引かれた丸型テーブルが一つ
その周りにいかにも高級そうな椅子がいくつか並べてあり
テーブルの上には、まるでアリスが来る事を予測していたかのように
ティーカップやらポットやらが置かれていた
……紅茶でも飲んで寛いでろ…という事だろうか?
アリスはそのまま手前の椅子に腰掛け
用意された紅茶を飲みながら、女王が戻って来るのを待った
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