プロローグ

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    数分後…       「アリス…どうかしら?」 「えっ?わぁ~…凄く似合ってるよ!!」 「まあ、本当?嬉しいわ、ありがとうvV」   ゆっくりと部屋の中に入って来たのは、美しい桃色の浴衣を身につけた女王様だった。 着付けはウミガメモドキに手伝ってもらったのだと思う 背後に立っていたウミガメモドキは、アリスに一礼すると そそくさと下に戻って行った 大方、女王に邪魔するなとでも言われたのだろう   「…女王様、ちょっとこっち来て。髪の毛やってあげる」   アリスが手招きすると、素直に近付いて来て 目の前に腰掛ける彼女 今はいつもの鎌は持っていないらしい   『こうしていると、普通の女の子なのになぁ。 っていうか女王様髪綺麗…いいなぁ……』   そんな事を考えながら、持って来ていたピン止め等を使い 髪をアップに纏めていく   「……で~きた!」   最後の一本を止め、髪形の最終確認をする …よし、我ながら良いできだ いつもとは全く雰囲気が別人となった女王様 大人っぽいというか、なんというか… とにかく、これで彼のウケはバッチリだろう   「ねぇアリス」 「ん、なぁに?」 「なんだか随分楽しそうだけれど…今日何かあるのかしら?」 「あっ、うん。その事なんだけど…出来れば今日一緒に、お祭りに行きたいな~って思」 「アリスが行くと言うなら、勿論行きますわ!!」 「そっ、そう…良かった」   アリスの言葉を遮り、もの凄い勢いで彼女の手を取った女王 「チェシャ猫達も一緒に行くんだけどね」 というアリスの言葉も、もう耳には入っていないようで ただ、「アリスとお出かけ出来るのね!」などなど ずっと呟き続けている   「それじゃあ、また夕方迎えに来るから…それまで、汚しちゃ駄目だよ?」 「えぇ、わかっているわ。待っているわね」   紅茶ごちそうさまでした。 それだけ言ってアリスは、部屋を出て行った それを見送った女王は、アリスの座っていた椅子に今度は自分が腰掛け 窓から少女の後ろ姿を、ずっと眺めていたのだった      
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