第一

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助かりたい。 そう言いたいところだが生憎声が出ない。拉致されていきなり鬘を出され、そして殺される。 俺の人生なんだったんだという感じだ。 沈黙が続いた。 すると目の前の奴は 「答えは分かった。………殺れ。」 嘘だろ俺死ぬのか。 何のために拉致されて来たんだろうか。 こいつらだって時間の無駄じゃなかったのか? てゆうか俺に銃を当ててる奴の顔ったらヤバいな。人の事殺す気満々過ぎて怖い。 ぐいっと更に押し付けられる。 「うっ」 思わずでた呻き声。 あぁ、父さん母さん妹よ。俺は旅立つ。 大丈夫。あの世で見守ってるよ。 さよな‐‐――――――― 「待て。殺すな」 えっ…なに。 誰かとおもい振り返る。 人がせっかく最後の言葉を残そうって時に…。 そいつは俺より少し上に見える。 タレ目が特徴的で女受けのよさそうな顔。服装は黒…。所々に金糸の刺繍…。 さっきの赤い奴と比べ、ズボン…。 動きやすくしてるって訳か? タレ目は続ける。 「こいつは殺すな。もう時間がない。これ以上待たせると民に不信感を募らせてしまう。違う女を探すための一時だけでもいい。時間を稼ぐことだ。」 「……」 俺死なないのかよ。なんだよ。 さっきまでの独白を思い出すとなんか恥ずかしい。 「お前らの仕事は終わりだ。自室に戻れ。後は俺に任せろ。」タレ目の色っぽい顔の割には堅いんだな…なんて印象を受ける。 まぁそいつの発言にしたがって、さっきの乱暴な奴等は部屋から出ていき、部屋にはそいつと俺だけが残された。
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