0人が本棚に入れています
本棚に追加
「2-G組かぁ」
無数の桜の花びらが
私の視界に入り込んでいる。
その先にあるものは
クラス名簿表!
私は保科夏音。
今年進級したばかりの
ぴっちぴちの高校2年生!
そしてリア充!
只今3ヶ月。
ラブラブなんですよっ
もう青春真っ只中!
楽しい!
「夏音、Gなんだぁ。私Eだよ」
親友の佳菜(かな)が私の肩を叩いた。
「離れちゃったね」
一緒がよかったのになぁ。
「残念…って夏音、あの人と一緒じゃんか!」
佳菜が人混みの中を指差した。
その先には
俊哉くんがいた。
「え!あの人って女嫌いなんだよね…。なんか暗そうだなぁ」
そう。
俊哉くんは極度の女嫌い。
会話することはもちろん、女を視界にも入れたくないと言っていたのを聞いたことがある。
なぜ女が嫌いなのかは知らないけど…。
まさか俊哉くんと一緒になるなんて…。
「女嫌いじゃなかったらモテるのにねー。勿体ない」
「お?夏音狙ってる感じ?」
「んなワケないじゃん!」
佳菜はいつもそんな冗談を言う。
秋人に知れたら大変なことになるのに!
「あ、夏音いたいた。組どこなん?」
っとと、噂をすれば。
「なんだ、Gかよ!俺Fだし。まぁ隣だからいっか」
「まったく、お二人ともラブラブね」
そうなんです。
秋人が私のカレシ。
ちなみに初カレですごく優しくてイケメンで…。
大好きです。
「式終わったら一緒に帰ろうぜ」
「うん!」
最後に頭を撫でてくれた。
私は幸せだなぁ!!
「…ニヤけるの止めなさい」
佳菜の鋭いツッコミが入ってニヤけているのだと気づいた。
危ない危ない…
「体育館行こ!」
私はチラリと俊哉くんの横顔を見た。
最初のコメントを投稿しよう!