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一隻の小船?
時がゆっくり流れる海はオーロラのようにいろんな光を放ちながら
水面の色を変えていく。
一隻の小船は
ユラユラと波に揺られながら霧の中へと流される。
あれ?
誰か乗ってる?
霧でよく見えない。
眼鏡もしないと遠くのものがよく見えない。
でもあれは……
髪の長い女性。
白いシフォンっぽいワンピースを着ている。
あ、霧がはれてきた。
泣いてる。
一人で
泣いてる。
どうしたの?
あたしの声は届かない。
どこか遠くを見て泣いてる。
「……朝?」
頭痛い……。
晴海は自分の部屋のベッドで目が覚めた。
「そっか…昨日、バイトの飲み会だった……うぇっ……気持ち悪っ……」
晴海は起き上がり、トイレで少し吐いた。
「はぁっ……はぁっ……おえっ………」
人差し指と中指を口に入れて吐いた。
苦い液が出たあたりで止めた。
「はぁっ……はぁっ……」
晴海は手を洗いベッドに座った。
あの夢……また…見た。
晴海は引き出しからノートを取り出した。
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