プロローグ~かくれんぼ~

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「もう、いいか~い?」 「まぁだだよ!」 広い家。子どもが二人遊んでいた。二人とも無邪気な笑顔で、子どもが二人には大きすぎる家の中、かくれんぼをしていた。 「もう、いいか~い?」 「まぁだだよ!」 もう何回も繰り返したやりとり。壁に顔を押しつけていた子どもは、不思議に思い始めていた。 ……さすがに長すぎると。 「もう、いいか~い?」 不安になって声を張り上げ再度聞く子ども。しかしそれに応える声は、 「………」 無かった。 子どもは半ベソをかきながら振り返る。きっと彼は僕を驚かそうとしているだけだと信じて。 そして子どもは振り返る。 ……そこには誰もいなかった。 ―ガカァァァアンッッッ どこかで雷が落ちた。いつの間にか、雨が降り始めていた。
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