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―ジリリリリリッッ!!
そんな目覚ましの音が聞こえたかと思うと、
―バキィッ
今度は鉄がひしゃげたかのような音が聞こえてきた。
驚いた俺こと、高城波音はベッドから跳ね起きる。視線を右手に向けると、
「あちゃあ…」
これが俺の朝。
――――
時間は8時ジャスト。俺は自分の母校である風見中学校の校門をくぐった。
一人で自分の教室である3年D組に向かう。
廊下の窓からは春の象徴とも言えよう、満開の桜が見えていた。
それを見て、少し顔を綻ばす。
気分を変えて教室に向かっていると、いたるところから視線を感じる。
ひそひそ話も聞こえる。
昨日の、とか。
屋上の、とか。
それについても、あとで説明するとして。
教室にたどり着くと、ガラッと扉を開ける。
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