第1章 名探偵高城。

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―ジリリリリリッッ!! そんな目覚ましの音が聞こえたかと思うと、 ―バキィッ 今度は鉄がひしゃげたかのような音が聞こえてきた。 驚いた俺こと、高城波音はベッドから跳ね起きる。視線を右手に向けると、 「あちゃあ…」 これが俺の朝。 ―――― 時間は8時ジャスト。俺は自分の母校である風見中学校の校門をくぐった。 一人で自分の教室である3年D組に向かう。 廊下の窓からは春の象徴とも言えよう、満開の桜が見えていた。 それを見て、少し顔を綻ばす。 気分を変えて教室に向かっていると、いたるところから視線を感じる。 ひそひそ話も聞こえる。 昨日の、とか。 屋上の、とか。 それについても、あとで説明するとして。 教室にたどり着くと、ガラッと扉を開ける。
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