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「とうちゃ~く!」
教室に向かう途中誰も話しかけてくれなかったので、一人寂しく教室に駆け込む。
「おっ!圭一!」
すると教室に見知った顔を見つけた。
「おー、波音!おはよー!」
鳥ヶ谷圭一。俺の小3の頃からの腐れ縁。クラスは毎年一緒だし、家も近いしで、本当に仲がいい。
圭一は友達との話を切り上げて、こちらに来た。
「あれ?今日言葉は?一緒じゃねぇの?」
織原言葉。彼女については後に話すとして。
「ああ。あいつは朝寝坊したらしくてな。置いてきた」
「オイ!それで良いのかよ!普通そこは二人で遅刻フラグが…」
「別に一緒に遅刻してやるほど俺は優しかねーよ」
「…お前なぁ…」
圭一が何か言おうとしたとき、
―ガラッ
と。恐らく今年一年担任になるであろう優しげな女の先生が入ってきた。名前は、山田美智先生。
と同時に、今度は後ろの扉も小さくガラガラと開いた。
「ハッ…ハッ…、遅れ、ました」
我が幼なじみ、織原言葉である。
腰まで伸びたストレートの黒髪。十人中十人可愛いと言いそうな可憐な容姿。そして控えめな性格。この学校のスーパーアイドルである。
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