第1章 名探偵高城。

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それを感じて俺は思った。俺は、友達の死も泣けないのか、と。 それに絶望した。 嫌だった。ただ嫌だった。 だから俺は一週間後の昨日、 飛び降りようと朝から屋上に来ていた。 下から、死んだアイツもそんなこと望んでいない。と言う声がした。 そんなことあるはずない。死人に口無し、とはよく言ったものだ。あなたは使者の声でも聞こえるのか、と問いたくなったほどだ。 ただ、俺はバカだった。人の死も悲しめない俺みたいな奴は、死ねばいい。と、死んだアイツのせいにして、飛び降りようとした。 そんなときだった。 「なら、一緒に犯人探そう」 圭一のそんな声が耳に入ってきた。 その力のこもった声を聞いた俺は、あっさり飛び降りるのを止めた。 ああ、俺の決意はこんなものだったのか。そう思った。 死んだアイツに、お前のせいにして逃げてごめん。そう言いたかった。 そしたら、 ポロリ、と やっと、泣けた。 これが、昨日の事件の全容。 入学式に俺が起こしたバカではた迷惑な事件の、全容。 ―――― 今日も、みんな悲しいはずなのに、普段通りに接してくれる。
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