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ゴーン……ゴーン……
鐘の音が鳴り響く。少年と少女は寄り添いながら見ていた。大切な人が馬鹿らしいことで処刑されてしまうことに腹を立てながら憎しみを滲ませながらそして深い悲しみに包まれながら青年を待っていた。
青年はボロボロだった。見るも無残な姿だった。少女は思わず目を逸らしたくなった。大切な人があんな姿にした人間が憎い。そんな感情ばかり溢れ出てくる。
青年は二人に気づいた。ああ、来てくれなくて良かったのに…まだ14なのに…それでも笑顔で青年は言った。
「幸せになれよ」
ザンッ
無の世界が二人を襲う。少女は思わず目を逸らしてしまった。少年は少女を抱きしめ強く青年に誓いをした。
絶対に累を守り抜いてみせます。
心優しい青年は永遠に帰らぬ人になった。
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