ペテン師の憂鬱

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「スプタン・マンユ様。困ります。勝手に外に出られては」 「あら、ごめんなさい。つい外を見たくてね」 クリーム色の髪に空をそのまま入れたかのような蒼。雪のように白い肌はまさしく絶世の美女にふさわしい。 「あなた様が見つかってみんな喜んでいるんです。皆さんに顔を出すのがあなた様の仕事です」 「分かっているわ」 どうせ、私なんて見てくれないわ。みんな私じゃなくて、"スプタン・マンユ"を見るんだから… 少女は暗い顔をしながら扉を開く
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