ラブストーリーも突然に

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あれは一体なんだったのか。 夢だったのではないだろうか? しかし頬をつねれば痛く、背中に滴る汗の感覚は本物だ。 リア充を爆発させる? そんな馬鹿なことがあってたまるか! とは言え、人間を爆発させるだなんて簡単には出来ないだろう。 質の悪いイタズラだと思うしかなかった。 だが、なんとなく気になってしまう。 本当にリア充が爆発するのではないか? もしそうなったら妹や両親、クラスメートも爆発することになる。 リア充は嫌いだが、死んで欲しい訳ではない。 妹だって仲は良くないが兄妹だ。 死んで欲しいなんて思ったこともない。 まぁ勇と翔は爆発しないだろう。 あの二人には彼女なんて居る素振りがないから。いつでも三人で一緒に居て、遊びに誘っても断られたことがない。 思考を前向きに変えようとしたが、心にはモヤモヤが残る。 誰も居ない我が家の静寂が、僕の不安を煽り立てた。
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