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「……る………千鶴…」
「ーーー…っ!総…司…さん…?」
「うん、ごめんね起こしてしまって。」
「いえ…でもどうされたのですか?
もしかして発作ですか?」
「ううん、僕は大丈夫だよ。
ただ、君が泣いているのを聞いて心配になったから声をかけちゃった。」
「私が…?」
「気づいていなかった?
涙の跡…ついてるよ。」
「ごめんなさい…起こしてしまいましたね…」
「気にしなくていいよ。
………嫌な夢でも見たの?」
「………はい。」
「それってもしかして…僕に関する夢かな?」
「ど、どうしてそれを!?」
「やっぱり。
僕はいつも千鶴のこと見てるから考えてることとかわかるんだよね。」
「ふふ…総司さんには敵いませんね。」
「よかった…やっと笑ってくれた。
泣き顔の千鶴も可愛いけど、
やっぱり笑ってる顔が1番だね。」
「そ、総司さん////」
「そう遠くもない未来で…僕は君を傷つけてしまうからね……
だから君には少しでも多く笑顔でいて欲しいんだ。」
「総司さん…。
あの、夢に見たものを言ってもよろしいでしょうか?」
「うん。」
「さっき私が見た夢は……総司さんと考えていることが同じです。
そう遠くもない未来で総司さんは私の目の前で姿を消してしまって…
私は独り泣き崩れていました…」
「……………」
「いつかああなるのはわかっているのですが…
心がどうしても追いつかなくて……」
きゅっ
「私は何度も総司さんを求めました。」
「ーーーねぇ千鶴、今日が何日かわかる?」
「え?今日は…1日?いえ、2日の朝ですよね。」
「そう。
知ってるよね、1日の夜から2日の朝にかけて見る夢は初夢になるんだって。」
「はい、見た夢の内容で1年の吉凶を占うと…」
「そうだよ。
そして君は僕と離ればなれになる夢を見てしまった。」
「は…い……」
「泣かないで千鶴。
泣かせたくて初夢のことを言ったわけではないんだ。
僕が見た夢も聞いてくれるかな?」
「はい。」
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