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「さて、ようやく着いたか」
車で飛ばして一時間。
目的地に着くことができた。
それなりに発展していた町だった跡として、崩れかけのビルや、建物が並んでいる。
「いくぞ!
コウキはレイナと、キラはミカと組め!
バラバラになるんじゃないぞ!
絶対に二人一組で行動しろ!!」
そう言うなり、リュウキは単身突っ走っていった。
確かにリュウキほどの腕ならば一人でも問題ないのだろうが……。
「足を引っ張らないで下さいよ」
ミカがキラに言い放つ。
はいはいとキラが肩をすくめるのを見ながら、ミカは車から出ようとした。
「っ……、いた」
いきなり、転んだ。
ビタン、といい音を発して。
「……えっと」
コウキとレイナが必死に笑いを堪えている中で、キラが倒れている彼女を起こそうとした。
「転んでません」
刹那、彼女が俯せ状態のまま言った。
キラは戸惑う。
「いや、でも……」
「転んでません」
「だから「転んでません」……了解」
あまりにも頑固なので、キラは折れるしかなかった。
「とにかく、いくぞ」
ライトガンを腰につけ、ショートブレイドを背中に背負い、彼女に手を伸ばした。
「わかっています。
あと、気安く触ろうとしないで下さい」
ミカはその手を払い除け、立ち上がり、走っていってしまった。
「まったく……」
キラもそれに続いて走っていった。
「俺達も早く行こうぜ」
「了解です。
早くアニメ見たいですし」
コウキとレイナも車から出て、キラ達が走って行った方と逆の方へ向かって歩いて行った……。
―――倒壊寸前の展望台。
一人の男が、その光景を眺めていた。
人間に見えるその男の背中には悪魔のような羽が生えており、頭には角が一本生えていた。
体は、服を着ているのでわからない。
「また奴らか…」
呟くと、トランシーバーを取り出した。
「こちらゼロ-5、現在、カゲモリ隊とおぼしき人物が5人、町にやってきた。
オーバー」
『確認した。
構わん、殺せ』
ノイズ混じりの声に「了解」と言って、通信を切った。
「さて……、
貴様らがもたらした災厄、貴様らの体で償ってもらう」
男はそう呟くと、足元に置いていた大剣を背負った。
「カゲモリ隊など、この世界には必要ない」
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