信頼

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「しっかし、久しぶりだなぁ。 お互い生きてて良かったぜ」 キラは、モンスターハントショップ『シカバネ屋』を訪ね、 その店長である、Mr.シカバネ(偽名)と話していた。 「ショートブレイド用砥石を20個。 あと、ライトガンの……ビーム弾の安いやつを100発分。 後は栄養剤3本。 久しぶりの再会なんだから、銅貨8枚で手を打ってくれよおっちゃん」 「砥石15、ビーム弾の低威力80、栄養剤はそのまま3本。 どうだ?」 「流石だおっちゃん」 銅貨を8枚を差し出す。 Mr.シカバネはそれを受け取ると、巨大なボックスのカギを開け、石やら弾やら薬やらを取り出し、キラに渡す。 今の日本は、銅、銀、金貨を用いて取引をする。 金塊は今でも良く使われているが、紙幣は使われていない。 政府が、紙幣の発行をしなくなったからだ。 銅貨10枚で銀貨1枚。 銀貨20枚で金貨1枚。 そして金貨50枚で、金塊一つ分の価値がある。 「若いのに苦労してるねぇ。 ちょくちょくまけてやるから、いつでも来な」 「サンクス!」 キラはMr.シカバネにサムズアップして、準備室に向かった。 ―準備室前― 「しっつれぃしま~っす」 準備室のドアを開ける。 「……………」 「…………ぁ」 キラは停止した。 目の前には、同じ歳でありながら、それより幼く見える少女の姿があった。 ミカだ。 それだけなら問題はない。 問題なのは、彼女が着替えをしていることだった。 ちょうど、上着を脱いでいる最中だ。 彼女は小さいからか単に面倒なだけなのか、ブラを着けていない。 ――こ、これはっ! ゴクリ、と唾を飲み込むキラ。 たしかに、彼女は体格が小さめだが、美少女だった。 カゲモリ隊ではソッチの線でかなり人気があり、オマケに、かなり気が強いのに、天然が入っているという個性的なキャラで、ファンクラブまで作られているという噂もあるほどだ。 そんな彼女の慎ましやかな胸が目の前にある。 だが、キラはそれ以上に、彼女の表情の変化に緊張していた。 無表情だが、明らかに怒っている。 彼女はあまり感情を表には出さず、必要最小限のことしか喋らない。 だが、キラ相手にはかなり突っ掛かってくる。 彼女は他の男に裸を見られても、せいぜいこめかみに青筋を浮かべるだけだろう。 だが今、彼女は服を着て銃を手に持つと、その銃口をキラに向けた。 「え、えっと「死になさい」どわぁぁぁっ!?」 無条件で発砲。 キラ…軽傷を負う。
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