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ミカはある程度銃を乱射してから、準備室に戻って着替え、早々に去っていった。
帰り際、外で待っていたキラに、目には見えない負のオーラを浴びせていった。
「ったく…。
まぁ、俺がわるいから、しゃあないか」
キラは頭をかきながら準備室に入った。
「………あれ?」
いつの間にやら、剣が磨かれて綺麗になっていた。
まだ研いでいた途中だったのだが……。
「まさか…な」
キラはある可能性を頭の中で否定すると、どうでもよくなり、素早く帰る準備を済ませた。
「いててて……、
補習訓練キッツ……っ」
足を押さえながら入ってきたのは、コウキだった。
大型のキャノン砲を背負い、ショートブレイドを持つ彼は、キラの同期だった。
「おつかれさん。
ま~たかよお前、最近続けてじゃねぇか」
「だってよ、昨日はアニメを見てて夜更かししちまってさ~!」
キラはため息をつく。
コウキは根っからのアニメ好きで、訓練に支障が出ることが多かった。
それでも、毎日いつも、過去に放送されたアニメを見続けている。
最近ではテレビ局などほとんど潰れており、やってる番組といえばニュースくらいだ。
が、コウキはこの部隊に配属されてから、知り合いの先輩からよくアニメやゲームを借りているらしい。
「最近はこのゲームにハマッてんだよ!
『THE STRAWBERRY!』
このヒロインがまた可愛い子揃いで…」
キラはまた、ため息をついた。
彼はこの話になると止まらず、メンバーに勧めることも多かった。
「残念だが、俺はゲームに興味は……」
「まぁ聞けよ…!
このゲーム、前世紀であった、
所謂…、『18禁エロゲー』だ」
キラが黙ってコウキの話に耳を傾ける。
あぁ悲しいかな、男の性。
「この子とか、なんとなくミカちゃんに似てるくないか?」
パッケージを手渡すコウキ。
それをじっくりと見る……。
「どうかな……。
んじゃ、俺は寮に戻ってるよ」
キラはコウキにパッケージを返し、彼と別れた。
「アイツに似た子とのエロシーンだぁ?
んなの見れるかよ」
8割呆れ、2割、なにか虚しさを感じながら、キラは寮に向かって歩みを進めた……。
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