4人が本棚に入れています
本棚に追加
「えー、この『それ』というのは、126ページの3行目の一文をさしていて、ということは『衰退した自然に対する人間の考えや文化』という一文は……」
耳には国語の男性教師の聞き飽きただみ声が流れ過ぎる
他にも
誰かのペンの蓋を開ける音や、ページをめくる紙のこすれる音、鼻のつまった人の鼻水をすする音に、たまに、いびきをかいてる奴の雑音が聞こえてくる
視界には
後ろから2番目の窓際に座る僕から見える、大勢の白い背中とスーツ姿のだみ声教師が映り
後は
窓枠に囲まれた雲ひとつないまっさらな青い空と、その右上にある直視はできないまぶしすぎる太陽
さらにグラウンドではどこかのクラスがギャアギャアと騒がしくサッカーをしているのも目に入った
まあ、いつもの風景だ
しかし繰り返しの毎日というのはやはり飽きてしまうもので
今すぐ誰かが倒れて慌ただしく授業を打ち切る
とか
いきなり窓から何かが入ってきて騒ぎになる
とか
あったらこの授業もあっという間に終わってくれるのに
なんていうことを意味もなく想像してしまうもんだ
最初のコメントを投稿しよう!