繋がり1

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藤原さんはエレベーターの操作版の前に立っていたので、そこへ寄り添う形になる。 顔が離れて、視線がぶつかる。 ………さらに赤面。 オレは視線を逸らす。 視線を逸らすと、藤原さんの指がエレベーターのボタンを押しているのが目に入った。 閉のボタンを押しっぱなしにしている…。 そういえば、このエレベーター動いてない。 「マナト」 耳元で囁かれる。 そのまま藤原さんの唇が耳に触れる。 「…っ」 オレはキュッと目を閉じる。 藤原さんの舌が耳から首筋に流れる。 ちょっと… 「…っ…ン…」 思わず声が漏れた。 藤原さんの唇が首筋から上に登り、またキスされた。 今度はさっきと違いすぐに舌が差し込まれてオレの舌に絡みついてくる。 「…ゥ…ン」 頭の芯が熱くなる。何も考えられなくて、全部、快感に持っていかれる。 クチャと濡れた音が耳に響く。 深くなるキス。興奮して息苦しさを感じる。キスを続ける唇からなんとか逃れて息をする。 オレは息が上がっている。藤原さんは…そうでもない。余裕で、満足そうにオレを見ている。 なんか…ずるい。 カチャとボタンを押す音、うぃんと稼働音と共にエレベーターが動き出した。 俺はが身体を離そうと身をひく。動かない。 腰をガッチリと抑えてられている。 「あ、あの…」 「誰も来ないし、監視カメラも付いてない、離れなくていい」 さすが刑事。カメラなんて…。そういえば、エレベーターだしあってもおかしくないよな。 ガシャンとエレベーターが止まりドアが開く。 暗い。 え… 藤原さんの顔を見る。 藤原さんはふっと笑うといきなりオレの腕を掴んでエレベーターの外へ引っ張り出した。
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