繋がり4

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藤原さんは日付が変わってから帰っていった。 俺と藤原さんはつき合ってるんだよな。たぶん。 でも、好きと言われた訳じゃない。 俺も好きと言ったわけじゃない。 次の日は親の手前あまり外泊ばかりもしていられないので、一度家に戻ってから事務所へ。 タカヤさんには応援をお願いするメールを送っておいた。 返事はまだ来ていない。 一度事務所へ寄っても一度資料にざっと目を通す。 さて、行くか。 持ってきた私服に着替える。薬関係の情報収集に行くので制服ではまずい。 私服と言っても、俺の趣味じゃなくて、そういう場所に行っても浮かない服。 ロッカーに脇に突っ込まれているキャスターの着いた姿見を引っ張りだす。 うーん。イマイチ。 近くのボックスの引き出しを空ける。 中にはじゃらじゃらとアクセサリー類が入っている。変装用です。 ごつめの指輪やネックレスを着ける。 サングラスを掛ける。 ワックスで前髪を上げる。 ほんとはあまり顔を出さない方がいいけれど、サングラスがあるし、俺はいつも前髪を降ろしているので、これが一番印象が変わる。 ま、こんなもんかな。 目標は三軒。 マニアックな電気部品店。 ネイルサロン。 インポートのブランド免税店。 まずは、ネイルサロンから。 繁華街の入口にある小さなテナントビルの2階にある。 個室式のネイルサロンで、昼間は一般の、夜は主に夜のお仕事関係の方を客にしてる。 一応はまっとうなお店なんだが。 表からは入らない。 裏の従業員用の通用口のドアから入る。 入ってすぐエレベータがあるが、二階なので階段を使う。 ドアの横の数字パネルをを押す。 なぜか、俺はここの解錠コードを知っている。 ここはドアを空けると従業員の休憩室になってる。 その奥が事務所になっていて、閉店時には休憩室と事務所の間にもセキュリティが掛かる。だから、休憩室の入口の解錠コードだけ特別に教えて貰った。 ノックしてドアを空ける。 入ると、知らない女の人がこっちを見てる。 「こんにちは。」 挨拶する。 「こんにちは。」 女の人は挨拶を返してくれるけれど、明らかに不信そう。
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