繋がり4

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おお、という返事が返ってくる。 部屋の中にはパソコンが幾つも並んでいて、周辺機器に繋がっている。 詳しいことはしらないけれど、パソコン関係のシステムとかそういう仕事もしているらしい。 「で、何が入ってんだ、これ」 マツダさんが俺のUSBメモリをパソコンに繋いで何かしてる。 「ああ、例の暗号です。」 「作ったのか。」 マツダさんがうれしそうに振り返って俺を見る。 「はい、まだ完成してないですけど」 俺が答える。 「バカだな、バックアップとってないかったのか。」 呆れた声でマツダさんが言う。 「うっかりしてて。」 俺は困った顔で答える。 暗号というのは、自作の暗号。まあ、趣味みたいなもので、そういう遊びをしてるネット上の趣味サークルがあるのだ。各自が持ち寄った暗号を解き合って遊ぶ。ちょっとマニアックなサークル。俺とマツダさんはそこのサークル仲間だ。そこで知り合って、今に至っている。 マツダさんは、たぶん30代後半ってくらいのおっさんで、結婚してて子供もいるらしい。 ここには自宅から通っているんだそうだ。 マツダさんはうーん、と唸る。 それからあれこれやりだした。 「マツダさん、さいきんネットで薬って出回ってます?」 俺は何食わぬ顔で切り出す。この人の場合、作業中は生返事になるので、具体的に話をしないとまともな答えが返って来ない。 「なんだ、いきなり。」 マツダさんは驚いた様子もなく答える。 「いや、友達が手出してるみたいなんで。どうやって手に入れたのかなって。さいきんはあんまりみなかったんで。」 「友達って?」 「名門の進学校に行っているやつなんで、ちょっとびっくりして。」 俺は友達を心配するように言う。 「あれか。関わらんほうがいいな。」 マツダさんの声が渋くなる。 「なんですか、あれって。」 「んー。いままでの西や東から入ってくる覚せい剤とはちょっと違うんだよ。俺もまだ流通の様子を見てるとこでよくわからんが。とにかく手は出すな。」 また言われた。心配しなくても絶対手は出さないけど。けれど、俺はそんなに危なっかしく見えるのだろうか。 「覚せい剤なんですか?」 俺はさらに突っ込む。 「ああ、合成だと思う。」
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