繋がり4

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合成麻薬。LSDやMDMAと呼ばれるのがそれだ。 幻覚作用が強く、副作用で精神分裂を来す。自分が殺されると言った幻覚に襲われた中毒者が通り魔的に道行く人を何人も刺した事件があった。 捌いているのは暴力団だというけれど、このところは取り締まりがきつく鎮静化してたようだけど手に入らないわけではない。 合成麻薬、というところまで掴んでいるなら、マツダさんはきっともっと情報を持っているはず。 けれど、あまり関心を示すのは不振に思われる。 「マナト。その友達もすぐやめさせた方がいい、と言ってももう手遅れか、ドラッグだからな。お前も関わるな、といっても難しいか。」 マツダさんは向こうを向いて作業をしながら淡々と言う。 その表情は見えない。 ときどき、俺がどういう筋の人間か気付いているのではないかと思うことがある、それともカマを掛けているのか、測りかねるけれど。マツダさんの情報網が実際どれほどのものなのかもわからないし。俺たちのことを知っているなんてありえないのだけれど。 それに、もし俺に警察の息が掛っていると知っているなら、俺にあれこれ情報をしゃべるのは自分の身を危険に晒すようなものだ。けれど、マツダさんはいつも何かしらの情報をくれる。俺が情報を集めに来ていることには気が付いている節があると俺は思うのだが。 「どうした?」 マツダさんが振り返る。 「直りそうですか?」 マツダさんの携帯が鳴る。 話の感じからして仕事の電話のようだ。俺は、マツダさんが電話を切ってからUSBは急がないからまた取りにくると伝えて店を出た。 そろそろ出ないと次の予定に間に合わない。 俺は電車に乗って、ライブハウスに向かう。 俺の住む町の隣町の駅で降りる。駅の改札を出て賑わっている商店街とは反対側の裏通りに向かう。 5分ほど歩くと、マンションや小さなテナント並ぶ角に小さなレコード店が見える。今時まだLP版を扱っている少々マニアックな店。CDが基本だが中古品の商品が多い。 店の前を通る時に、中を覗く、客は入っていない。 脇にある階段にはまだ誰もいない。ここの3階がライブハウスになっている。この階段は客用なので、裏口へ向かう。建物の裏へ行くと入り口で、知った顔がたばこを吸っている。なんて、名前だったかな。俺はどうも、と挨拶をして中へ入る。音合わせをしているのが聞こえる。独特の雰囲気。少しテンションが上がる。
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