繋がり5

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俺は思わず笑ってしまった。 「なんですか、それは。」 「よくわからん。でも、そういうイメージだ。わかりそうでわからん。一見単純そうに見えて、実はそうじゃない。人当たりがいいくせに、壁がある。」 けっこう当たってるかも。 「みんなそんなもんでしょう?タカヤさんだって俺からみたら不思議ですよ。」 「俺のどこが?」 どうしてそれだけの頭脳があってあの大学に行っているのか、なぜまだここに留まっているのか、とか。ぜひ訊いてみたいところですが。 「さあ、全体的に、存在が。」 「なにそれ。俺そんなこと言われたことねぇぞ。」 俺はタカヤさんに差し出していた手を引く。 引こうとした手が掴まれる。 掴まれた手を引き寄せられる。 タカヤさんが座ったまま俺を見上げる。 その目はいつになく真剣。 この人のこんな顔なかなかみられないな、と俺はのんきにそんなことを思った。 「どういう風にみえる?俺の事。」 「だから・・・なんの目的があるのか、とか。」 「目的?」 「なんていうか・・・」 あなたはどこか俺に、似てるのかも。 言うべきか迷う。 ガチャっとドアが開く。 俺はドアのほうを見る。 「あ、藤原さん。」 「何してんだ。」 「何って・・・。」 俺はタカヤさんを見る。 「マナトが爪に色なんか塗ってるから見てたんですよ。」 タカヤさんは掴んでいた俺の手を藤原さんに見せる。 「なんだそれ。」 「ネイルです。」 「なんでそんなもんしてんだ。」 「お洒落ですけど。」 「若者のすることは解らん。」 「おっさんみたいなこと言わないでくださいよ。」 俺は思わずつっこみを入れる。 「おっさんだよ。」 タカヤさんがすかさず言う。 藤原さんが渋い顔をする。 「で、なんかわかったか。」 「いえ、あんまり。どうもちょっと今までとは違うみたいですよ。そんなに出回ってるわけでもなさそうですし。」 「俺たちが首突っ込んでどうこうなるもんでもなさそうだけど。」 タカヤさんが付け加える。
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