迷う心1

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マナトは高校生で、藤原さんはいくつだ? 26、7だったと思う。 軽く10歳は違う。 ありえないような、ありえるような、いやありえない。 いままでの二人のことをいろいろ思い出してみる。 たしかマナトは藤原さん紹介で入ったんだっけ。 あの二人に特別な繋がりがあったとしてもおかしくない。 メンバーのプライベートに関しては詮索しないのが暗黙の了解。 俺の知ってることは限られている。 マナトの歳と通ってる高校と・・・彼女がいないってこと、くらいか。 俺達ってよく考えたら、お互いのこと全然知らないんだな。 他のメンバーに関しても同程度のことしか知らない。 調査で一緒にならない奴に関しては通ってる学校も定かじゃない。かろうじて、名前と顔くらいで。 俺とタカヤ、マナトはよく調査が一緒になる。 タカヤに関しても俺が知ってることと言えば、通ってる大学と女癖が悪いってこと、ちゃらちゃらしてるように見えるけど意外にもしっかりしてて、趣味はサッカーで、だからサッカーのゲームをよくやってて、それで俺も同じゲームに前はそうでもなかったのにハマったりして・・・。意外に一人で静かに本を読んでたりする一面もあったり、気が利くようで鈍感で、その二面性が・・・。 ああ、結局、タカヤのことに戻ってきてるじゃないか。 メールの着信音。 藤原さんからだ。 “どうだ?” どうって、お前こそどうなんだ、人が調査してるのにマナトとイチャつきやがって、と返してやりたくなる。 “収穫なしです。”返信。 返信したメールはすぐに削除する。削除する前に送信時刻をチェックしておく。 証拠になりそうなものは極力残さない。 簡単なデータや時間の記録は出来る限り自分の頭にインプットしておく。 俺達の調査結果は警察の捜査ではないので証拠としての効力はないし、証拠として上げれば俺たちの存在が表に出てしまう危険があるので保存しておいても利用ができない。 消すのが一番。
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