はじまり2

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「なんかあったのか?」 当番でもないのにオレがいたことを不思議に思ったのか。 「いや、たまたま。そっちこそ」 「あぁ、オレも。時間あったから報告書書きに。」 「この前の?」 「おぉ」 「手伝えなくて悪かったな」 「いいって、代わりにリホちゃんが入ってくれたからなんとかなったよ」 「そうか。オレよりリホのが良かったんじゃない?」 「そんなことねぇけど、まぁ結構ちゃんとしてるなあの子、有望だよ」 「そうだね、オレも前に組んだ時思った。」 リホというのは、さいきん入った高校一年生の新人さん。 危険が伴わないこともないので、基本的には女の子は使わない。けれど、状況的に必要な場合もある。 前にいたユミさんが引退して、リホが入った。 紅一点。 タカヤはパソコンを叩き始めた。 小気味良いタイピングの音。 それを眺めながらマナトが入れてくれたコーヒーを飲む。もうぬるくなってる。 「で、マナトは?」 タカヤはパソコンに向ったままそう言った。 答えようとしたときドアが開いた。 入って来たのは、藤原さんだった。 「お疲れ様です。」 反射的に挨拶をする。 タカヤもドアの方を振り返り同じようにに挨拶をする。 「お疲れさん」 藤原さんがオレを見て目を細める。 あ…。 オレは片方の手に持っていた煙草を灰皿に押し付ける。 「ダメだっつたろ、二十歳になるまでここではやめとけ、面倒になる。」 藤原さんが少しキツい口調でいう。 「すみません」 俺は素直に謝る 一応警察の下にいるので、法律違反は厳禁。 いつもは気をつけているのだが、つい。
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