迷う心2

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それから30分ほどでマナト到着。 「お疲れ様です。」 「ああ、ごめんな、呼びだして。」 「あ、シンさん。お久しぶりです。」 「おお、久しぶり。元気そうだな。二人とも居るんなら俺ちょっと買出しに行ってくるわ。」 シンはそう言うと部屋を出て行く。 俺の様子を察したわけでもなさそうだけど、ちょうどよかった。他のメンバーにお節介してるとこは見られたくない。 「どうしたんですか。」 「お前の方はどう?終わった?」 「いえ、いま巡回指示で。」 「そうか。じゃあさ、こっち手伝ってくれない?」 「え?海賊版ですか?」 「ああ、進展がなくてね。」 「ええっと、でも藤原さんからなにもきいてません。」 「うん、指示は出てない。」 「ですよね。それに、タカヤさんが入ってるんじゃ?」 「よく知ってるね。」 「はい、この前タカヤさん言ってました。」 「ほかにも言われたことがあるだろう。」 マナトの表情が一瞬変わる、がすぐに戻る。 上手く誤魔化したつもりかもしれないけれど、俺はそれを見逃さない。 「ほか?」 マナトは首を傾げる。 トボケてやがる。 「ああ、トボケるなよ。」 「いえ、ほんとにわかりません。」 そしらぬ顔をする。 「手が空いてる筈だから、こっちに回れっていってんだよ。」 「藤原さんの指示ならそうしますけど。」 俺の挑発には乗らずにいつものきょとんとした表情で答える。 手強いな、やっぱこいつ。 「じゃあ、藤原さんにそうしてもらうように頼むよ。」 「そうしてください。勝手なことすると俺まで怒られるんで。」 こいつ。 俺の方が挑発されてるのか。つい怒鳴りそうになるが抑える。 「わかってるんなら無茶するな。」 「してませんよ。」 「マナト。」 俺は諭しに入る。 「はい。」 「無茶するな。」 「わかってます。」 マナトは俺の目をまっすぐに見て答える。 だめか。 やっぱ、藤原さんに頼むかな。 「あ、でも藤原さん今忙しいみたいで連絡あまり付きませんよ。」 マナトがつぶやく。 やっぱ藤原さんの状況よく知ってるな。 「へえ、そうなんだ。」 「ええ、俺も連絡取りたいんですけどね。」 「会ってないの?」 「はい、全然。」 「そうか、放置か。」 「仕方ないですけどね。仕事が仕事なんで。」 「はぁ、仕事ねぇ。」 マナトのどことなく寂しそうな表情。 やっぱこいつらデキてるな。 あの藤原さんのどこがいいんだ?
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