迷う心3

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「なーに、照れてんだ。こっちが恥ずかしいわ。」 「マリさん、来れなかったみたいですね。」 「ん、ああ、そうだな、見てないな。終わったら打ち上げか?」 「はい、たぶん。でも、俺はもう帰ります。」 「は?打ち上げ行かないのか?」 「はい、さいきんはゲストなんで、歌って帰るパターンです。」 「なんだ、それ。」 「いいんです。歌いに来てるので。」 「ふーん、そっか。」 アツキさんが帰るまで一緒にライブを見て、すべてのライブが終わるまでライブハウスには居るけれど、打ち上げはパスして帰る。 明日は、事務所へ行かないと。 11時だっけ。 次の日、10時半に事務所に到着。 もう誰か来てる。 藤原さんだといいな、と思いながらドアを開けた。 「お、早いな。」 タカヤさんだ。 「お疲れ様です。タカヤさんこそ早いですね。」 「うん、暇だったんでな。」 タカヤさんはパソコンの前に座ってデータベースを見てる。 これまでの調査記録でも見てたんだろう。 俺は近くの椅子に鞄を置いて、冷蔵庫を開ける。 お、コーラのペットボトルが入ってる。 飲み掛けってわけじゃないし、名前も書いてない。飲んでしまおう。 俺はそれを取り出して飲む。 「あ、自分ばっかり、俺にも寄こせ。」 タカヤさんが俺に向かって言う。 って言われても、これ1本しかないし。 俺はタカヤさんに歩み寄ってペットボトルを差し出す。 「えー、おまえと間接チューかよー。」 「文句があるなら、コーラは諦めてください。」 「しゃあねえなぁ。」 タカヤさんは俺の手からペットボトルを取る。 「あ、また爪に色付いてる。」 「え、ああ。」 「今回は全部だな。」 「はい、サービスしてくれたらしくて。」 俺の手を取ってまじまじと見ている。 「器用だな。」 「ほんとですね。」 「そうえいば、話し途中だったよな。」 「え?」 「この前・・・」 タカヤさんは俺を見る。
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