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入ってきたのは、藤村さん。
「あれ?ユズルくん?」
「あ、お疲れ様です。」
「今日って、確かマナトくんじゃなかったっけ?」
「ああ、すんません。今連絡しようとしてたとこなんですけど、マナト一回来たんですけど体調崩してて今週俺が代わります。それと調査も俺入るんで、お願いします。」
「そうなのか。そういうことなら仕方ないね。なかなかマナトくんに会えないな。」
「会いたいんですか?」
「他のメンバーにはもう全員会ったからね。」
「それにしても、急でしたね。担当交代。」
「ん?ああ、そうだね。」
「なにかあったんですか?」
「さぁ、俺はよく知らないんだ。俺もいきなりだったから面食らった口。」
話してはくれないか。
「ああ、そうだ。調査計画できたんで確認してもらえますか。」
「うん。」
藤村さんはすぐに目を通してくれる。
「よく出来てる。一人で大丈夫?誰か付ける?」
「いえ、取り合えずは一人で、無理そうなら申請します。」
「そう、わかった。きみはもうベテランだね。」
「いえ、そうでもないですよ。」
「頼りにしてるよ。まだ、いるの?」
「もう帰ります。」
「じゃあ、一緒に出よう。」
藤村さんと駅で別れる。
どうやら藤村さんは俺を駅まで送ってくれたようだ。
「じゃあ、気を付けて。」
「藤村さんは、これからまだ仕事ですか?」
「うん、まあね。」
「お疲れ様です。」
感じのいい人だ。
藤原さんはいつもぶっきらぼうで如何にも刑事って感じの人だったけど、藤村さんは刑事というよりは、営業マンっぽい。
次の日から、調査に入る。
N高か。この前の調査のことはほとんど知らないしな。
取りあえず、名前の挙がってた学生を当たらないと。
N高には2、3人知り合いがいる。
知り合いの出没しそうなスポットで待ち伏せる。
N高近くのコンビニ。
雑誌を立ち読みする振りをして外を通るN高生をチェック。
写真で見た顔を今日中に見つけられたら有難い。
店に入ってきた学生の会話にも耳を澄ます。
他愛無い会話ばかり、普通はそんなもんだ。
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