迷う心4

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俺はさいきんツイてない。 ツイてる時は、まじでか、と思うほど向こうから情報が飛び込んできてくれる。 このまえの海賊版のときも収穫ゼロだったし。 コンビニ、本屋、駅。 場所を変えながら待ち伏せるけれど、今日は収穫なし。 一日目はこんなもんかな。 ホントに捕まらなかったら、その辺の女の子に声を掛けよう。 ああ、そうだ。今日もなんか貰ったな。 帰りの電車のなかで、女の子からもらった包みを開ける。 ケーキだ。 小腹が減ったので、摘まむ。 おいしい。 手紙が入ってる。 “○○(俺の苗字)くん、いつも見てます。よかったらお友達になってください。携帯番号とメアド。” “いつも見てます”か。 俺、見られてんのか。 なんとなく気になって電車の中を見回す。 20時過ぎの電車、そんなに混雑はしていない。 俺の事を見ていそうなやつもいない。 なんとなく安心する。 これくれた子、どんな子だっけ。 女の子はみんな同じような化粧をしてるから、みんな同じに見える。 う~ん、なんとなくしか思い出せない。 だめだなぁ、俺。 今度からもうちょっとちゃんと見ておこう。 ちゃんと見て、いいな、と思う子を探そう。 それから、数日後やっと知り合いと遭遇。 数日間の間に友達から仕入れたN高生の情報を駆使して、学校の様子や目立ってる奴の事を聴きだす。 それとなく、調査対象の名前を出してみる。 顔写真が載ってたのは3名。 その一人がヒット。 これといって目立つ訳でもない普通のやつらしい。 逆に、地味なやつでもないということだ。 一番見つけづらいな。 でも、収穫ありだ。 他にもあれこれ世間話をして、別れる。
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