450人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はさいきんツイてない。
ツイてる時は、まじでか、と思うほど向こうから情報が飛び込んできてくれる。
このまえの海賊版のときも収穫ゼロだったし。
コンビニ、本屋、駅。
場所を変えながら待ち伏せるけれど、今日は収穫なし。
一日目はこんなもんかな。
ホントに捕まらなかったら、その辺の女の子に声を掛けよう。
ああ、そうだ。今日もなんか貰ったな。
帰りの電車のなかで、女の子からもらった包みを開ける。
ケーキだ。
小腹が減ったので、摘まむ。
おいしい。
手紙が入ってる。
“○○(俺の苗字)くん、いつも見てます。よかったらお友達になってください。携帯番号とメアド。”
“いつも見てます”か。
俺、見られてんのか。
なんとなく気になって電車の中を見回す。
20時過ぎの電車、そんなに混雑はしていない。
俺の事を見ていそうなやつもいない。
なんとなく安心する。
これくれた子、どんな子だっけ。
女の子はみんな同じような化粧をしてるから、みんな同じに見える。
う~ん、なんとなくしか思い出せない。
だめだなぁ、俺。
今度からもうちょっとちゃんと見ておこう。
ちゃんと見て、いいな、と思う子を探そう。
それから、数日後やっと知り合いと遭遇。
数日間の間に友達から仕入れたN高生の情報を駆使して、学校の様子や目立ってる奴の事を聴きだす。
それとなく、調査対象の名前を出してみる。
顔写真が載ってたのは3名。
その一人がヒット。
これといって目立つ訳でもない普通のやつらしい。
逆に、地味なやつでもないということだ。
一番見つけづらいな。
でも、収穫ありだ。
他にもあれこれ世間話をして、別れる。
最初のコメントを投稿しよう!