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次の日、先に報告書を上げてしまおうと、放課後事務所へ行くとマナトが来ていた。
「お疲れ様です。」
「お疲れ。大丈夫か?」
「はい。お陰さまで。」
昨日よりずっと元気そうな表情。
よかった。
気分転換に来たのかな。
「それは、よかった。」
「ユズルさん、俺も参加しようと思って。」
「え?調査?」
「はい。」
「大丈夫か?」
「大丈夫です。」
「まあ、そりゃ助かるけど。」
「いま資料見ました。俺の前件と関係あるんですかね。」
「よくわからん。昨日、一応そこに名前の出てる一人については当ったれたけど、特に目立つやつでも地味なやつでもないみたいだし。」
「そうですか。8人か、時間かかりそうですね。」
「そうだな。」
俺は、パソコンの前に座って報告書に掛る。
「あ、そういえば藤村さん、おまえに会いたがってたぞ。」
「俺に?」
「ああ、おまえにだけまだ会ってないって。」
「そうですね、俺、来てなかったから。そのうち会えますよ。どんな人ですか?」
「好青年って感じ。」
「へえ。好印象なんですね。」
それからマナトは前回のN高の件について、関係しそうな情報をあれこれ説明してくれた。
俺が報告書を終えて、二人で調査に入る。
N高付近から別行動。明日も放課後に事務所で落ち合うことにして別れる。
途中、駅でマナトを見掛けたが、お互い知らない振りをする。
俺の方は、偶然写真の一人を見掛けて尾行。
まっすぐ家に帰っただけだった。
しばらく家の近くで張ってみたけれど、これといった収穫はない。
これはマジで時間かかるな。
タカヤにもヘルプを・・・と思い掛けて躊躇う。
出来ればまだ、会いたくない。
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