迷う心4

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次の日、先に報告書を上げてしまおうと、放課後事務所へ行くとマナトが来ていた。 「お疲れ様です。」 「お疲れ。大丈夫か?」 「はい。お陰さまで。」 昨日よりずっと元気そうな表情。 よかった。 気分転換に来たのかな。 「それは、よかった。」 「ユズルさん、俺も参加しようと思って。」 「え?調査?」 「はい。」 「大丈夫か?」 「大丈夫です。」 「まあ、そりゃ助かるけど。」 「いま資料見ました。俺の前件と関係あるんですかね。」 「よくわからん。昨日、一応そこに名前の出てる一人については当ったれたけど、特に目立つやつでも地味なやつでもないみたいだし。」 「そうですか。8人か、時間かかりそうですね。」 「そうだな。」 俺は、パソコンの前に座って報告書に掛る。 「あ、そういえば藤村さん、おまえに会いたがってたぞ。」 「俺に?」 「ああ、おまえにだけまだ会ってないって。」 「そうですね、俺、来てなかったから。そのうち会えますよ。どんな人ですか?」 「好青年って感じ。」 「へえ。好印象なんですね。」 それからマナトは前回のN高の件について、関係しそうな情報をあれこれ説明してくれた。 俺が報告書を終えて、二人で調査に入る。 N高付近から別行動。明日も放課後に事務所で落ち合うことにして別れる。 途中、駅でマナトを見掛けたが、お互い知らない振りをする。 俺の方は、偶然写真の一人を見掛けて尾行。 まっすぐ家に帰っただけだった。 しばらく家の近くで張ってみたけれど、これといった収穫はない。 これはマジで時間かかるな。 タカヤにもヘルプを・・・と思い掛けて躊躇う。 出来ればまだ、会いたくない。
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