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静まり返った教室の中で4人は息を潜めたまま止まっていた ガラガラ… 扉はあっけなく開くと足音はまた響き出す トントントン… トントントン… 耳に入る音が心臓を揺らしていた 殺される… 4人はそう思ってたに違いない でもその思いも小さな声で消え去った 「誰かいるの…?」 4人の目は宙をまった 頭のてっぺんの何かの塊を見ようとするかように、右へ左へとキョロキョロさせながら (里美じゃない!この声は…) 「亜由美!」 誰よりも先に声を出したのは美幸だった 「美幸?!」 亜由美の表情は喜んでいるとも驚いているとも言い難い どことなく距離感が見受けられた 「生きてたんだ!」 4人が近づくと亜由美も言った 「みんなこそ。生きてたんだね!」 そう言うとニッコリと笑った 美幸はまだ動けずにいた
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