2章 infinity-zero

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9月16日(金) 残るテストはにょろさんを残すのみ。 昨日はあの後せっかくだからとYoshi-kiと少しだけおしゃべりをして帰りました。 もちろん、付き合っていた時のようなデートを楽しむわけにはいきませんが、それでも私にとっては夢のような時間でした。 話したのは本当に取り留めのない事で、大学の事や、写真の事。 ……それからマイウイングの事。 Yoshi-kiの知っている範囲でマイウイングの他のメンバーの事を教えてもらいました。 収集丸さん達がアクアステージに入社したって話はびっくりしましたし、他にはここで言えないような話もありました。 そんな楽しい時間もあっという間。別れ際にYoshi-kiが私に言った言葉を思い出します。 『最後が一番辛いと思うけど、諦めないで頑張って』 ……当然、これまでの試験よりも簡単なものが出るとは思っていません。 雰囲気からしても、moeちゃんやYoshi-kiよりも、にょろさんのテストの方が厳しそうな感じはします。 結局、私はそう大したものは持っていないので、その中で出来る事をするしかないわけで。 私が頼るべき所は、3人が私がこれからの戦いに参加する事を望んでくれているから、私が異変に気が付くようなヒントをわざわざ残してくれたり、こうしてテストをしてくれている――という事です。 何もない自分だけど、それでも何とかなる。 そう思わないと、今の緊張を抑えられそうにありません。
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