2章 infinity-zero

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9月17日(土) 私はカフェの扉を恐る恐る開けて店内に入りました。 薄暗い店内はジャズが流れていて、すごく落ち着いてる。そしてすぐに美味しそうなコーヒーの香りが私の鼻を刺激します。 「いらっしゃいませ」 カウンターで静かに読書をしていたマスターが、私の方を見もしないでそれだけ告げる。 「あの――」 マスターは私の質問を遮るかのように、店内の奥を指差した。ちょうど店内の中央にある柱の向こう側、一番奥に置かれたソファに、にょろさんが座っていました。 「あ、ありがとうございます」 私はマスターにそれだけ告げて、にょろさんの方に向かいました。 ……もう、たったこれだけの事なのに、私はこの場に圧倒されていました。きっと1人で何も用がなかったら、こんな雰囲気の漂うカフェには入る事も出来なかったと思います。 「あら、着たみたいね……もうこんな時間か」 にょろさんは私を確認すると、ちらっと鋭い眼光を手元の時計に走らせます。 「また捜査もあるから、手短にいきましょう」 ……私はにょろさんに促されるまま、にょろさんの向かいのソファに座りました。それを確認するや否や、すぐににょろさんは話を始めました。 「メールでも書いた通り、はっきり言えば、私はSatomiちゃんが参加するのは納得いかない」 まずはにょろさんの先制攻撃。場に圧倒されている私は無言で自分の足元を見るしか出来ませんでした。
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