2章 infinity-zero

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9月18日(日) 私がどれだけ役に立てるのか――。正直言えば、一番難しいテストなのかもしれません。 だって、元々それは私自身が一番聞きたい事でもある。 ――確かに私なんかが仲間になって何の役に立つんだろう。自分自身でも思っているのだから、にょろさんがそれを感じて不満に思うのは、しょうがないのかもしれない。 でも、これはテスト。私なりに出来る事を一生懸命探しました。 泣いても笑っても今日がテストの最終日。何かに怖気づいているヒマなんてありません。 「あの、おはようございますっ!」 カフェの素敵な雰囲気をぶち壊しにする挨拶に、にょろさんはソファに座ったまま眉間に皺を寄せて私を見上げました。 「おはよう。ごめんね、寝不足だから……そういうテンションに今はついていけないの」 「大丈夫です! 今日はお願いします」 ……自分で言っていても、何が大丈夫なのかもわかんない。ただ、気持ちで負けるわけにはいかないから、恥ずかしいとか何か失敗するかもとかは置いといて、必死で自分の中でテンションを上げて挑もうと思った結果がこれだった。 「それで、答えは見つけてきた? 他の2人みたいに今から土壇場で考えますって言うなら、今すぐテストを打ち切るわよ」 「はい、大丈夫です!」 ……そりゃそうだ。何の役に立てるかなんて、アドリブで考え付くものでもない。 それに、そんなその場しのぎで取り繕ったって、にょろさんがそれを納得するはずがない。 私は昨日と同じ、にょろさんの向かいのソファに座り、小さく息を吐きました。
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